常微分方程式

第1講 常微分方程式の解

常微分方程式とその解 常微分方程式とは,1変数の実関数がその導関数とともに満たすべき方程式である.すなわち,$y$ を $x$ の関数とするとき,$y$ についての常微分方程式は適当な関数 $F$ によって
$F(x,y,y',y'',\ldots,y^{(n)})=0$
と表わされる例えば?
常微分方程式の階数とはその方程式に含まれる導関数の最高階数のことであり,次数とは最高階の導関数の次数のことである.
関数 $y=f(x)$ が常微分方程式 $F(x,y,y',y'',\ldots,y^{(n)})=0$ のであるとは ことをいう.
一般解と特殊解 $n$ 階の常微分方程式の一般解とは, ような式のことをいう.このように,一般解の任意定数に具体的な値を代入することにより得られた解を特殊解(特解)という.
一般解の表し方は何通りも考えられるのが通常であるが,基本的に こととする.
以後,この講座を通して
$C,\quad C_1,\ C_2,\ldots$
など,大文字イタリック体の $C$ は常に任意定数を表すことにし,いちいち断らない.
練習1
初期値問題 1階の微分方程式に初期条件と呼ばれる
$y(x_0)=y_0$ (すなわち $x=x_0$ のとき $y=y_0$)
という付帯条件を課したものを初期値問題という.初期条件によって一般解の任意定数が決定され,解(特殊解)が得られる.
微分方程式の解はもちろん関数であるから,その定義域も含めて決定しなければならない.定義域に関しては本講を通して以下の規約をおくことにする: